皿いっぱいの

途中まではおいしい焼き鳥屋だったのです。しかし、連れが浅漬けを食べたいと言ったのが不幸の始まりでした。連れが注文をします。何の疑いもなく浅漬けください。と。あの時の店員の態度のこわばりを見逃してしまったのがいけなかったのか。しかし、酔っ払っていた私たちはそんなことはたいして気にせず、もりもりもぎゅもぎゅと焼き鳥をたべておったのです。

果たして浅漬けがまいりました。皿いっぱいのキューリのキューちゃん四点盛りが。色とりどりのあか、みどり、ちゃいろ?(何か形容しがたい色)あと、たぶんキューちゃんシリーズのきちんと発色したナス。綺麗すぎるなす。西の方の出身の僕は心の中で吉本新喜劇のように八人ほどこけました。連れの顔を見ると停止していました。機能が停止しているのです。雰囲気が悪くなったのを感じたのでしょう。これサービスです。と焼き鳥をくれましたが、僕の中の八人はたおれたままで、彼の顔は機能を停止したまま。彼の右手はその皿を掴み僕の前にいきおまえが責任以って食えよと理不尽なことまでいう始末。そうして彼は一つも箸を付けず僕はナスだけは食べ、店を出ました。店を出た瞬間の開放感。忘れることはできません。Jazzのかかっている焼き鳥屋は注意しようとおもいました。