あるきながらあるき⑤コアコレクティブ
二脚の人間は移動をはじめる前からすでに不安定な状態にある。注意深い観察者や酔っ払いならば知っているように、ただじっと立つ、ということがすでにバランスの妙技なのだ。
『ウォークス 歩くことの精神史』(レベッカ・ソルニット)
だから、立っているというだけでもダンスやパフォーマンスたり得るのだと思う。さて、ここから歩くとなるとまた大変だ。バランスをわざと崩すことで歩きが始まるのだから。いったい、いつ安心すればいいんだ。
私たちは常に不安定さを抱えたまま自分自身の体を運ぶ。
昔の飛脚さんは例えば右足のひざを抜いて(ひざの力をぬいて)倒れそうになった時に左足を出す(出る。)で、今度は左足のひざを抜く。倒れそうになったら右足をだす。といった具合に走っていたらしい。重力に身を任せただ足を出すだけで走っていたそうだ。
ほんまかいな。すごいな。
やってみたけど相当な腹筋がいるな。でも、これは武道で言う「縮地」みたいなのにもつながってくるのか。できるようになるとるろうに剣心ができるのか。
全然関係ないがモンキーパイソンのコメディのひとつに「バカ歩き省 」というのがある。
足が長いとすごいこのバカ歩きが映える。
ブタペストではパレードもやっている。
そういえば、この前散歩中に見たんだけど前を歩いている家族の父親らしき人とその息子さんの歩き方がそっくりというか、瓜二つだ。すごい。なんだったんだあれ。しかも、そのことに家族が何にも気づいていない。骨格が近いから歩き方も似てくるのか。体形も似ているし。
しかしそう考えると自分も、父のように歩いているのか。なんか、いやだなぁ。うわぁ、いやだなぁ。なんて、、、、、、いやだなぁ。
兄に似ていたとしたら、それもいやだなぁ。いやだよなぁ。にてんのかなぁ。いやだなぁ。
いやだけど、人が見たら、きっと、面白いんだろうなぁ。